No.040 夏はスイカだ

動物エピソードペットコラム

ミャンマーに行くと、道路の脇にたくさんのスイカが山積みされていた。そこで私たちもスイカを食べたが、日本のように格別に甘く品種改良をしていないが、暑いときに汗を流しながら食べるスイカは格別で、やはり夏の食べ物と実感したものだ。

上野動物園では、夏のイベントでゾウにスイカをあげている。ちょうど良いくらいの大きさに割るでしょう。
(財)東京動物園協会撮影

近年とみに動物園の動物たちに、有り余る余暇を楽しく過ごさせる試みが各地の動物園で試みられている。そのひとつが、スイカを動物にあげるとどうやって食べるか、ということだ。
まず、ゾウはどうやって食べるか。これはスイカの大きさと、ゾウの大きさによって違う。おとなのゾウに小玉スイカをあげると、そのままくわえて割って食べる。口に入らないくらい大きなスイカの場合、足をスイカに乗せてジワジワと力を加えて、ペシャンコにならない程度に割って食べる。このとき普段歩くときと同じように、体重を足にのせて踏み潰すとどうなるか、自分の足の力を知っており手加減して上手に割るのだ。

もうひとつ、サル山のニホンザルにも大きなスイカをおいてどうやって食べるか試したことがある。平らなところにスイカを置いて、観客側から見ていると、子ザルたちが集まってきてかじろうと試みるが、スイカが大きすぎて歯が立たない。皮を少しぐらいかじっても美味しいことはない。すると上に乗ってみたり、足で蹴っ飛ばしたりして遊びはじめ、食べ物としては見てくれないのだ。そこで、再び山の中に入ってスイカを割ってあげると、やっとそれぞれスイカのかけらを持っていき食べ始めた。

ところが、ゾウにしてもニホンザルにしても、スイカはリンゴやバナナに比べると、いまひとつ興味がうすいような気がする。バナナやリンゴはお互いに取り合って食べるのだが、スイカはそれほどでもないのだ。これは、スイカを常時食べていないためか、それとも水分が多く歯ごたえがないためか、はたまた甘味が少ないのか不明だが、少なくとも私たちがスイカに対する興味より少ないようだ。もっとも、現代の子どもたちもスイカを好まない子どもたちも多くなってきたような気がするけどね。

同じく上野動物園のサル山。やっとお目当てのリンゴが出てきたね。
(財)東京動物園協会撮影

夏には、スイカだけでなく、氷を作るときに、中にリンゴやバナナなどを入れて凍らせてサル山の中に置いたこともある。サルは目が良いので、中に好物があるのが見えているので、強いサルがやってきて早速かじってみる。しかし、ガチガチに凍った氷は簡単には溶けないので、強いサルがあきらめ日陰に戻ると今度は若者や子どもたちが入れ替わり立ち代りなめたり、かじったりする。やがて、中のリンゴが現れると、再び強いサルがやってきて、どっかりと座り、好きな食べ物だと気の済むまでたべる。サル山のような狭い空間では、強いサルは食べ物を独占できる。

我が家の娘たちも、スイカやリンゴにあまり興味を示さない。両親はどちらも好きなのにスイカを食べない理由は、スイカとケーキを比べると、ケーキのほうが強く惹かれるということなのだろう。

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