No.027 冬はホッキョクグマの季節だ

動物エピソードペットコラム

世界規模で見れば、雪や氷の世界に生活する人たちも多いが、私は寒いのも暑いのも苦手で、春と秋のおだやかな気候の場所で住みたいと思う。お金持ちは、夏は涼しいところに避暑に出かけ、冬は暖かいところでのんびりと過ごすが、庶民の私ではそんな真似はできない。それでも専門がアジアゾウなので、タイにはたびたび出かけるが、この季節日本は真冬で寒いため防寒をしっかりして出かける。

ホッキョクグマ

ところが、タイは冬でも30度以上になるから一番下に半袖を着、暑さに合わせて次々と脱ぎ飛行機を降りるころには半袖となる。動物たちは衣類を着ないからこんなに簡単には調整できない。人間はすごいね。

動物の世界共通の名前はラテン語で表記されている。ホッキョクグマの学名は、テラルクトス・マリティムス(Thelarctosmaritimus)と表す。簡単に言えば、海に住むクマというところだ。一方、和名はシロクマとホッキョクグマどちらも使っているが、
動物園や学者の人たちはホッキョクグマと表記することが多い。

こちらは泳ぐ様子を見ることができる。水族館でクマが見えるようなもので、おもしろい。

オスの場合、雪の上に丸くなり寝ていれば、雪が降ったときなど、雪に埋もれ外気温より暖かくなる。またメスは雪を堀ってその中で出産する。雪の中は暖かく中に入れば寒さ知らずで、その中で代謝を抑えて蓄積した脂肪で厳しい冬をやり過ごす。食事をとらないので、排便や排尿もしないから消化器官や腎臓も休止している。
冬ごもりをする前に、草・土・苔、自分の毛を肛門に詰め込んで塞ぐのを観察した動物学者もいる。にわかには信じがたいが長い冬を過ごすには、巣穴を清潔にしておくことも大切なのだろう。

ところで、クマの中で一番大型のクマがホッキョクグマだとご存知でしたか。動物ギネスブックには、最大のホッキョクグマの体重が1002kgと出ている。この記録は人間で言えば、200kg以上ある大巨人のようなもので、普通は400〜500kgだがそれでも陸上で最大の肉食獣だ。

放飼場の中に透明で頑丈なアクリル板で囲った場所があり、間近にクマが見える。いま人気のある旭山動物園。

北海度に住むエゾヒグマはふつうのオスで200〜300kgなのでいかに大きいかお分かりだろう。ホッキョクグマがいかに寒さに強いか説明したが、暑さにはどうするかは、また夏に機会があればお話しよう。

おお、さむ! やっぱり春が待ちどうしいなー。

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