No.024 動物の住居

動物エピソードペットコラム

今年の我が家の一大イベントは、2月に30年近く住んだオンボロ家から念願の新家屋に移転したことだ。そして、慎重に選んだ住宅メーカーがくしくもヘーベルハウスだった。
動物園のケージは地震で建物が壊れて猛獣が逃げたら事件なので、恐らくみなさんの想像以上に強固だが、我が家の基礎工事の頑固なまでの鉄筋の組み方も動物舎並で、ウーン、これなら安心と胸をなでおろした。今後30年のメンテナンス計画も示されたが、そんなに生きていられるか、と一応反発してみた。

人間は動物と比較にならないほど遊び心が発達しており、住まいも、外観から内装まで多様になっている。さらに、50階、100階建ての建築もあり完全に動物の住まいと違ったものになった。それでも基本的な部分では、人間もまた酸素を吸い、二酸化炭素を排出し、食事をし、排泄する点では他の動物たちと同じである。住処をもつ動物は暑さ寒さから逃れたり、外敵から身を守ったりするために地下や樹上などを利用している。

岩の下に巣穴の入り口があって、すぐに逃げこめます。

いくつか代表的な種類の住まいを紹介しよう。

  1. 地下にもぐり、寒さや暑さを防ぐ、プレーリードッグ。
  2. 樹上に作るオランウータン。
  3. 洞窟や木の洞にもぐりこむコウモリ。
  4. 川の中に作るビーバー。

プレーリードッグの巨大な地下街

低い山(入り口)から入った空気は、部屋を通り高い山から出ていきます。

彼らを有名にしているのは地下に巨大な町をつくることだ。北米中部の広大なプレーリー(平原)に、巨大な地下の町を作っていて、19世紀始めには、その数40億頭いたと推定されている。モグラもそうだがプレーリードッグも生息地にはたくさんの塚が築かれ、地下は縦横に穴が掘られて繋がっている。休憩する場所には乾草が敷かれ居心地が良さそうだ。そこで問題となるのは、換気をどうしているか、と言う点だ。じつは、塚の出入り口には、掘り出した土を高く山積みしているが、皆同じ高さではなく、高い山と低い山があり、低い山から入った空気は各部屋に空気を入れて、もう一方の高い山から排出される。これで何時でも清浄な空気が地下の町に行き渡ると言う寸法だ。ところが、ここでも人間が彼らの移住区に移り住むと、家畜のウマやウシが彼らの穴に足をとられ骨折する事故があり、駆除された結果今ではかつてのような大きな町はないそうだ。

私もプレーリードッグを担当したことがあるが、地下に住む動物で苦労するのは、彼らが想像以上に穴を掘る能力に長けていることだ。たとえば、ステンレス製の金網を入りめぐらせても、1箇所でも大きかったり、とめ方が充分でなかったりしているとそこから脱出する。そうなると事件勃発で探索が始まるのだが、姿が見えないので一苦労である。

動物の脱出に関する失敗談は、いろいろあるが、いずれも円満に解決しているので、深く触れないでおこう。

プレーリードッグ

リスみたいにかわいいでしょう。

体長で30cmから40cm、尾が10cmくらいあるリスの仲間だ。彼らは群れで生活しているが、基本的にオス1頭に4頭のメスの繁殖集団と、若い雌雄が共同で生活しており、この群れをコテリーと呼んでいる。個々のコテリーは縄張りを持っていて、真冬の交尾期はお互いに攻撃的になるが、およそ1ヵ月の妊娠期間を経て、春が訪れる頃5頭前後の子が生まれるとまた静かな町になる。

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