No.025 ネズミの嫁入り

干支にちなんだ話ペットコラム

新年明けましておめでとうございます。
2008年もみなさまのご多幸を祈念しております。

ネズミの嫁入り
むかし、あるネズミ夫婦にぱっちりとした黒い目のそれはそれはかわいい娘がいました。両親はこの娘に世界一すばらしいおむこさんを迎えようとつねづね考えていました。そこで太陽のところにいき、あなたは世界中で一番輝いています、ぜひ娘のおむこさんになってください、と頼みました。ところが太陽は、私は雲が出れば照らすことができないから、と断られてしまい、次に雲のところに行き同じようにお願いしました。すると、私は風が吹くといともやすく吹き飛ばされます。私よりあのがんじょうな塀を見てごらんなさい。どんなに強い風が吹いても倒すことができません。今度は塀のそばにいき、同じようにお願いすると、ネズミさんあなたはなんということを言うのですか、この塀もあなたたちが穴を掘ればすぐに倒せるでしょう。ネズミさんこそが世界一でしょう。
そうかネズミは世界一か、と納得してきりっとして元気なネズミのおむこさんを迎え、多くの子どもに恵まれ幸せになったそうな。

今年はネズミ年、ハツカネズミのかわいい写真をどうぞ。写真は友人の写真家 大高成元氏撮影

事実、現在の哺乳類およそ4.700種類中、約40%、1.800種類がげっ歯目(ネズミ目ともいう)で占められ、とりわけネズミ科が60%で1.100種類近くにのぼり世界中でもっとも栄えている動物である。まさに現代はネズミの王国である。
私たちの身近な家屋やビル、下水道に住んでいるネズミを見れば、合点すると思うが、地下から天井裏まで人目の付かない場所を占有している。かつては住居の屋根裏にヘビが住みつき、このネズミを餌としてネズミの被害から守っていたが、現代は人間がヘビを嫌い追いやったためヘビにネズミ退治はお願いできない状態だ。もう一つ、ネコもネズミにとっては天敵だったが、ペット化して十二分に餌をもらっているネコは、ネズミ狩りにあまり熱心でないように見える。

げっ歯目で最大のカピバラ。南米に生息し、体重は50kg前後の草食動物。

小型動物に共通していることだが、成長が早く都会のドブネズミは生後1ヶ月半から2ヶ月で早くも繁殖をし、1回に8頭くらいを1年間に6回前後出産する。むかしからネズミ算という言葉があるが、まさに驚異的な繁殖力を誇っている。野生にいる種類は多くの肉食獣の餌となっており、一定の数で留まっている。もう一つの強みは食べ物が雑食性で人間の食べ残したものは栄養価が高く大好きだ。夜行性の彼らは人間の耳には聞こえない超音波や敏感なひげを頼りに暗闇を自由自在に歩くことができる。伸び続ける前歯は上下に2本ずつあり、常にどこかをかじっていないと伸びすぎてしまう。それゆえ、天井や壁、床の隅に穴を開けるくらいいとも簡単なのだ。長い尾は電線を伝わって歩いたり、あるいは尾を棒に巻きつけて体を支えたりとバランス感覚は抜群である。人間のように科学的な進歩はしていなくても、私たちの生活の産物を大いに利用することができる適応力がある。

我が家にも大きなネズミ、いや干支の方がいるが、こちらはケーキが大好なところだけネズミと似ている。我が家のネコたちではネズミを見てもニャンともいうまい。

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