No.023 手の話(3) 指紋

動物エピソードペットコラム

赤ちゃんが生まれると記念に手型や足型をとる。自分の赤ちゃんはかわいくできる限りのことをしてあげるが、子どもが親の気持ちを本当に理解するのは、自分が親になって子育をしたときだろう。そこでこの気持ちを理解してもらうためにも、

「未婚の人たちにも結婚を勧めたい」

と言ったら、子どもたちに、現代はそんなことを他人がとやかく言う時代ではない、とたしなめられた。

オランウータンの手 – 親指が短いけどみなさんの手とそっくりでしょう。群馬サファリ・パークの川上茂久園長撮影

指紋は掌にある皮膚が隆起した部分を指し、専門用語では皮膚隆線という。本文では分かりやすいように指紋とよんで話を進めよう。多くはサルの仲間で人間と似たような手の形態をしているが、有袋類(オッポサム目ともいう)の仲間にもサルと似たような手を持つものがいる。その一つがニューギニアやオーストラリアにすむクスクスだ。体長は30〜40cm、同程度の長さの尾をもち、体重も2〜3kgだ。主に樹上で生活し、果実や木の葉、昆虫などを食べていて、手の親指と人差し指が他の中指、薬指、小指と向かい合い物を握る。そして、手には指紋がある。

指紋の役割は大別すると2つある。一つは滑り止めであり、もう一つは触覚としての感覚器官である。目の不自由な方は、手で触ることで多くのことが理解できることは周知の事実である。それは指紋の隆起した部位が物に触ると、刺激を受けて神経線維を通じて脳に情報が入る。隆起していることで刺激を感知しやすくなっている。

サルはネズミのような形をした祖先型の原猿類と呼ぶ仲間と、私たちが見慣れているニホンザルやオマキザルなどがいるが、指紋を比べると、原猿類よりニホンザルの方が複雑な指紋だ。一方、現在の類人猿や人類では単純化しているが祖先はもっと複雑な指紋を持っていたのでは、と指摘する学者もいる。

チンパンジーやゴリラが4本足歩行するときはナックル歩行をする。人差し指から小指まで軽く握り、第二関節を地面につけて歩く。そのため指の背側にも隆線がある。南米のクモザルは尾を枝に巻きつけてぶら下がることができるが、この尾の内側にも指紋と似た隆線がある。

人の指紋は、基本型として弓状紋、蹄状紋、渦状紋の3つに分けているが、それぞれの特徴は呼んで字のごとくである。基本形は3つでも指紋は一人一人違い、親子でも双子でも違うため、現在でも警察が犯罪捜査の犯人を特定するときなどに活用している。ただし、一卵性双生児の場合は良く似ているようだ。

うーん、きみたち来年は環境破壊がもっと進み住みづらくなりそうだねー。

人間にはもう一つ手相判断という指紋の使い道がある。手相学は数千年の歴史があり、アリストテレスも見てもらったとか。私は残念ながらまだ見ていただいた経験がない。
「あなたは東に行けば金運が付いているとか、西に行けば女難の相がある」
なんてね。

そう言えば今日は新宿に予定があったが、家から見れば西だなー。

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