ペットのイヌやネコを相手に会話する飼い主が増加しているようだ。
「ごめんください」と訪問すると、中で話し声がするので、もう一度大声で「すみませーん、回覧板です」と声をかけた。
「どうも、すみません、いま梅子と話していたもので、聞こえませんでした」と慌てて玄関に出てきた。梅子とはペットの愛称で、一人暮らしの彼女はネコが話し相手だ。このような家庭では、自宅も娘や息子と同様に、ネコやイヌと一緒に暮らす快適な住まいが欲しくなり、そこでヘーベルハウスの出番となる。
ネコを飼っていると、良く分かるのだが、抱いたときや寝床に入り込んできたときにゴロゴロという音が聞こえる。この音は、ご機嫌の良いときとばかりでなく、痛みを感じるときや病気の時にも鳴らす。そこでゴロゴロ音を出しているときは、満足して出しているのか、病気のサインなのか飼い主はチェックする必要がある。生後1週間頃から出すこの音は、母親とのコミュニケーションに使われている。授乳しながらでも出すことができるので、母親は声の様子から赤ちゃんの状態が分かるのであろう。最近では、ゴロゴロ音が20〜50ヘルツの低周波音で、この音域が骨芽細胞を刺激し骨の強化に役立っている、という報告もある。
ゴロゴロ音は大型のトラやライオンもだせるが、小型のネコの仲間と違い呼気と吸気の双方で鳴らすことはできない。小型のネコと言っても分類上の区分なので、アメリカライオンと称されるピューマもイエネコと同じようなゴロゴロ音を出すことができる。しかし、イエネコはヒョウやトラ、ライオンのように大声で吼えることはできない。トラやライオンは舌骨の一部がじん帯で繋がっているので咽頭を自由に上げ下げして大きな声で吼えることができる。一方、小型のネコは骨でつながり音が振動せず、小さな音しか出せない。
じつは、ゴロゴロ音をどこから出すか、諸説あってはっきりしないが、動物の行動学で著名なデズモンド・モリス氏は、彼の著書「キャット・ウオッチング 羽田節子訳1987 平凡社」の中で次のように言っている。
現在2つの説があり要約すれば、次のようなものである。
- 通常の声帯のほかに仮声帯が一対あり、人間のいびきのようなもの。
- 血液が大静脈から心臓に向かう血流が増加すると乱流が生じる。このときの血液の流れが低い音をだして、横隔膜がその振動を増幅して、器官から口や鼻、咽頭部に達するとき共鳴音として聞こえる。
そこにいくと人間の会話はすごいね。もっともかみさんが外国人だったら何を言っているのか分からなくて良いときもあるけどね。
え!あちらも同じこと言っているって。