No.014 動物の口

動物エピソードペットコラム

「ゴリラは色がわかりますか?」

「サカナにも鼻がありますか?」

まったく子どもの質問は何が飛びだすか予測できないからこわいね。
でも子どもの頃から自然の不思議を少しでも理解したら、成長したとき自然に対する思いやりが備わる人になると思う。大切なことは、さまざまなことに疑問をもってそれを調べることだ。

動物の口と食べ物

キリンの下顎の歯が見えるでしょう。でも上顎の前歯(切歯)と犬歯はありません。上顎の歯のないところはまな板の役割をしています。

先に頬袋、歯、舌の話をしたので、各部位の働きのあらましはお分かりいただけたと思う。口の役割はいろいろあるが、肉食獣の場合は餌になる動物を殺す役割と、歯で切り裂いて小さくして胃に送り込む作業をしている。顎は上下にしか動かさない。さらに、子どもを運ぶ手段として、人やサルのように抱くことができないのでイヌやネコの仲間、たとえばトラやオオカミは子どもの首筋をくわえて運ぶ。ペットのイヌやネコも同じで、首筋をつかんで持ち上げると反射的にやんちゃなネコが静かになる。ペットのネコやイヌにもこのような習性が受け継がれているのも面白い。

草食獣の場合は、草を食べるのは当たり前だが、草食獣といえども草を分解する消化酵素を持っていなく、腸内細菌に草のセルローズを分解させて、栄養素を吸収している。この細菌が取り付くにはなるべく細かく砕いて断面が多い方が良いので、臼歯というように、石臼で挽くようにして咀嚼する。ウシなどは、反芻しながら顎を上下左右に動かしている。ゾウの食べ方を見ていると、乾草ならば、一口ほおばるとおよそ25回下顎を前後に動かして噛んでいる。さすがにりんごのようにゾウにとっては柔らかい果物は、12回も噛めばおわり。

やっぱりアフリカは暑いのかな〜・・・。牙の間から舌が出ているね。

雑食獣の場合、イノシシは土を掘り根菜類など掘り起こすのは朝飯前だ。前方に突き出している歯で土を掘り、丈夫な鼻で土をかき分け掘り出せば、あとは強力な臼歯で噛み砕くだけだ。動物は食べ物を口に入れるまでに、もっているあらゆる機能を使っている。
もちろん唾液が嚥下や消化を助けているし、頬袋が発酵を助長する場合もある。

恒例のNHKラジオ夏休み子ども科学電話相談は、私にとって頭の体操の時期だ。質問する子どもたちは5歳から中学生くらいまでだが予想外の素朴な質問で時々冷や汗をかく。私は、7月28・30日および8月2・6・7・22・23・25・30・31日の計10日間出演予定だ。
サル・ゾウ・クマ・ライオン、その他哺乳類のことで面白い質問や動物のことで判らないことがあったらこの期間にNHKに電話またはメールで質問してね。
意外性のある質問が採用される率が高いよ。みなさんが不思議と思っていることに答えられるといいなー。

※文頭の答え:ゴリラは色がわかる。サカナにも鼻がある。

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