No.013 泳ぐどうぶつと泳げない動物

動物エピソードペットコラム

深い海に潜りゆっくり浮上してくると、タカベの群れの真っ只中だ。背にある黄色い縦じまの帯が真夏の強い太陽に反射し輝き素晴らしい光景だ。タカベは中型のアジくらいの大きさの魚で夏が旬、刺身、てんぷら、塩焼き、どんな料理にしても格別旨かった。子ども時代は、海とは食料を得るところで、天草を採って売るか、おかずにする貝や魚を採る場所であった。それが上京し、プールで何の収穫も得ることなくただ単に泳ぐ人々を見て、無駄な体力を使っているなーと思ったものだ。

動物の中で泳げない動物は何だろう、と考えたら確実に泳げないと断言できる動物が案外いない。いや文献が見つからないのだ。キリンは泳げないので、川があればそこがキリンの境界線で亜種の決めての一つと言える、という記載はあった。動物が泳ぐか、泳がないかは生活環境と密接に関連していると思う。キリンの生活環境は草原や半砂漠、アカシアがまばらに生えている土地で、毎日水を飲まなくても平気だ。砂漠のように水が少ない地域にすむ大型動物は泳ぐチャンスがないから泳げないかもしれない。しかし、乾燥地帯で生活するクロハラハムスターは頬袋に空気を溜めて浮き袋にして川を渡るという。
以前成獣になったゴリラは水場を嫌がり泳げないと聞いたことがあるが、先だってテレビで沼地か池にゴリラが入り、水草を食べている映像をみた。泳ぐ映像はなかったように記憶しているが、水場は好まないと思っていたが腰まで浸かって歩く様子をみて驚いた。ゴリラが泳げないと言うのは、飼育中のゴリラが溺れた記録があるからだが、子ども時代からプールに入り練習させれば泳ぐのか。

水面からぴょこんと耳、目、鼻が出ている。

同じ大型動物で水が好きなのはカバだろう。カバの目はぴょこんと飛び出たように付いているし、鼻孔は鼻の上側に飛び出て付いているので、横から見ると水面上に耳、目、鼻が出ている。耳と鼻孔は潜るときは閉じることもできる。ワニやカエルも同じだ。今度動物園に行ったら水中にいる彼らの目や鼻を見てごらん。また、カバは潜って進むときは前足で歩くようにして進み、後ろ足はうしろに曲げて浮かせるようにして使わない。足には親指を除いた4本の指があり、中央の2本の指は皮でくっつき水かき状態になっている。

カバは夜になると食事をするために数キロ歩いて草を食べるが、水中の草をたべて生活する哺乳類に海牛目の仲間、ジュゴンやマナティがいる。ジュゴンは沖縄にも生息しているが、現在沖縄では50頭以下に減少して保護されている。彼らが水中にいる時間はアシカやアザラシより長く、クジラのような体形だ。また海牛目は人魚のモデルと言われるが、美人のモデルとしてはチョット厳しいものがあるので、船乗りはこれらの動物が人魚のように見えるほど、航海が厳しいものと表現したかったのだろう。

ペットのイヌやネコは慣らせば泳げるが、泳げない動物がいたら教えてほしい。コウモリが泳げないという文献もあるが、ウオクイコウモリも泳げないだろうか。判らないことがいっぱいあるなー。

ゾウは水大好き、もちろん泳げるよ。

タイトルとURLをコピーしました