No.012 動物の舌

動物エピソードペットコラム

ヘーベルで建築した自宅は2世帯住宅で孫と同居でき快適だ。生後9ヶ月になる孫は、離乳食の好き嫌いがあり面白い。バナナやカボチャが好きでニコニコして食べていたが、おかゆをあげるとしかめっ面をして泣いて嫌がるのが傑作だ。何をしてもかわいく感じるのはジジゆえか。いやいや動物の専門家がそんなことを言ってはいけない。本能として、アンバランスの大きな丸い頭や柔らかくふっくらした肌、大きな瞳が、かわいい!抱っこしてあげたい!と思うように、祖先から長い期間を経て伝わってきたものだ。
いやはや、孫の話になるとつい脱線してしまう。

私たちの舌の役割は、味を判断し、嚥下し、口の中を掃除し、咀嚼し、そして、言葉やジェスチャーにも使われる。かつては味を感じる4つの味蕾は、酸味や塩味は舌の両側、甘味が先端、苦味は奥と言われていたが、今では喉や軟口蓋にもあり、一つの味蕾が2種類以上の味に反応するのがわかってきた。
自分の鼻を舐めることができる人はまれにいるが、イヌやネコはこのくらいの芸当は朝飯前、いや朝飯後でもする。キリンの舌は長く40〜50cmあり、この舌を木の葉に巻きつけ引き寄せて食べている。マレーグマの舌だって結構長い。マレーグマの好物は、蜂蜜だがシロアリだって食べる。蜜をぺろぺろと舐めるのに好都合だろう。

南米に生息する長い顔のオオアリクイ。写真家:大高成元氏撮影

アリつながりで言えば、なんといってもアリを捕まえては哺乳類中第一の名人、オオアリクイにはかなわないだろう。オオアリクイの口は、長く伸びた顔の先端部分に1〜1.5cmくらいの小さな口があり、そこから50〜60cmもある長い舌が出てくる。この舌からは粘液が出でいてネバネバしているので、アリがくっつき易いのだ。しかも1分間に最高150回舌を出すことができ、1日ではおよそ3万匹のシロアリを食べると言うからすごい。

オオアリクイが舌を出しているところ。写真家:大高成元氏撮影

ネコとイヌの舌
ネコの舌に腕など何回もなめられると舌の表面がザラザラとしているのが痛く、止めてくれと言いたくなる。これは獲物の骨や皮に付着した肉片を舐め取るためという。また、夏の暑いとき、舌で腕や体の毛を舐めて水分を付着させて蒸発するときの気化熱で熱を下げる働きもしている。
犬の舌は人間の舌のような感じだが、やはりペロペロと舐める。この舐める行動は多くの動物に見られるが、毛の手入れと共に、舐められると気持ちが良いのだろう。親が子どもを舐めれば子どもは精神的に落ち着きストレスが解消する。

海辺育ちの私は、イカやカツオの塩辛、塩サケなど好物のひとつであったが加齢と共に塩分控えめで食べられない。その上、なめるようにかわいがって育てた娘たちも成人し、近頃は私に、ジジになった人は小言をひかえめにだって。

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