No.097 卯年にちなんで

干支にちなんだ話ペットコラム

2011年 明けましておめでとうございます。

今年も皆々様のご健康とご多幸を祈念いたします。

小学生のころ、祖父がウサギを飼っており、私はときどき餌にするオオバコやアシタバ、アザミなどの野草を採りに行きました。ウサギは出産が近づくとお腹の毛を抜いて自分でふかふかのベッドを作り、その中に子どもを生みます。でも、出産直後の子どもは絶対にさわったり、見たりしてはいけない、と注意されました。そうすると、お母さんが外敵に狙われていると思い赤ちゃんを食べてしまう、というのです。まだ毛が生えていない赤子の赤ちゃんは生後10日齢頃になると目も開き、毛も生えそろってきます。すると、30分くらい赤ちゃんを家のなかに持ち込み、板で囲ったサークルを作り遊ばせて私に見せてくれたものです。真っ白で目が赤くてかわいいので、ちょっとだけ抱かせてもらいました。

ペットのウサギの祖先はアナウサギ

ほら、ふつうのウサギの目は黒です。

現在ペットで飼育しているウサギの多くは、イベリア半島のアナウサギを古代ローマ人(紀元前500年代)が飼いはじめたのが最初といわれますが、実際に家畜化したのは18世紀以降です。しかし、家畜化が進むと、生後1年未満で繁殖を始め、1年に数回、しかも5〜10頭出産するので瞬く間に数が増えました。餌は乾草や野菜の食べ残しで生きるため、冷蔵庫がない時代には、船に乗せヤギやニワトリと共に世界中へと広まっていきました。

初期には、ペットとしての需要より、肉や毛皮を得るために、飼育していましたが、やがて愛らしい姿に魅了され、現在はペットとして飼う人が増加しています。昔からペットにしていた種類はアナウサギのアルビノで、体内のメラニン色素がなく体が白く目が赤い種です。現在は体の色や耳の長さ、目の色、毛の長さなどたくさんの品種を作り100種類以上となっています。

食べ物を消化する3つの方法

  1. 人間やイヌ、ネコ、トラやゴリラなど多くの動物たちでは、口から入った食物は胃と小腸で消化されたあと、栄養分はおもに小腸で吸収されます。
  2. ウシやキリンは反すう動物といって、一度口の中にいれた食物を胃の中に沢山いる微生物の働きで発酵させてから、もう一度口の中に戻し、良く咀嚼(そしゃく)して再度胃に戻し栄養分を吸収しています。
  3. ウサギは、最初に食べた食物は胃から虫垂、盲腸までいくと、ここでたくさんのバクテリアと混ざりあい、硬いセルロースの壁を壊してもらい発酵します。そして軟便のような形で排泄されるとき、ウサギは肛門に口を付けるようにして食べます。ですから食物は2回消化器を通ることになり、食物の栄養を効率よく摂取しています。
    ペットのウサギがウンチを食べることを知らないで取り除いていると、栄養不足になりますから注意してください。

歯のようすをチェック

動物は歯と食性が密接に関連しており、歯から年齢や食性が推測できます。多くの動物は前後か左右にどちらかに顎を動かしますが、ウサギは前後左右に動かして食べます。餌はさまざまな野草や堅い樹皮や木の根、落ち葉、果実、根菜類などです。一生伸び続ける前歯は堅い樹皮や小枝を前歯で削るようにして食べるので、ちょうど良く磨り減るのです。ペットのウサギに、好物のニンジンや野菜ばかりあげていると、本来使っていた前歯を使うチャンスがなくなり、伸びすぎて咬合が合わなくなり噛めなくなります。伸びすぎるのを防ぐために、歯を削る木片を入れてあげてください。それでも長く伸びてしまったら、動物病院に行き前歯を適正な長さに切ってもらいましょう。

ウサギの抱き方

このように胸にしっかりつけて抱くとウサギも安心します。

ウサギを抱くとき大切なことは、無造作に耳を持って持ち上げたりしないことです。片手をウサギの腰に回し、もう片方の手で首の後ろの柔らかい皮膚をつかみます。そして自分の体にくっつけて抱くのです。初めは抱く人が座った状態で、その上にウサギを乗せてもらうほうが良いかもしれません。

ウサギの寿命はおよそ10歳ですが、早熟で1歳未満で繁殖をはじめるので、世界中に広まりました。そのようすは人間が世界の果てまで住みかを広げていったのと似ています。しかし、ちがうところは人間のように武器を持って戦争をしないところです。

今年も旭化成ホームズと共に、ゾウぞよろしくお願いいたします。

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