No.021 カメの冬眠

動物エピソードペットコラム

真夏の暑さも体に堪えたが、11月になりそろそろ北風がひゅりと吹き始めるころだ。
まことに勝手ながら、猛暑もいやだったが、寒いのもまた辛いね。これからしばらく「春よ来い」と暖かい春を心待ちにしながら散歩するか。

アルダブラゾウガメ 成獣の体重は150kgから200kg近くになる大きなリクガメ。

寒い地方では、真冬に小皿に入れた水を外に出せば簡単に凍るが、大きなバケツに入れた水が全部凍るまでに時間がかかる。こんなことからも分かるように、この地で生活する小型の動物たちは、特別な冬の過ごし方を手に入れた。それが冬眠だ。日本で冬眠する哺乳類ではシマリスやコウモリ、ヤマネなどが代表的だ。ヤマネの夏季の体重は、わずか20g程度だが、冬眠前になると40gまで太り、体力を蓄えてから冬眠に入る。冬眠は凍ることのない地下や木の洞などに潜り込み、体の代謝を抑え、冬をやり過ごそうとするものだ。もちろんツキノワグマやエゾヒグマも冬眠するが、クマの冬眠はヤマネに比べれば眠りが浅く、冬ごもりとも言ったほうが生態を上手く表現している。

ペットにカメを飼っている人も多いので、日本に住むイシガメやクサガメの冬眠のさせ方を簡単に説明しよう。

  1. カメの冬眠:ページ内の注意点を読んでから実行してください。

    冬眠させようと考えていたら、室内で飼っているカメは外気温の変化に合わせて少しずつ下げ、日照時間も短くする。そして寒くて食欲が落ちてきたら餌を与えず便が出なくなり、消化管に食べ物がなくなってから冬眠に入るようにする。

  2. 夏が過ぎたら冬眠に備えて餌を充分に食べさせる。
  3. 外気温が15度以下になると食欲がなくなり、12度以下になると冬眠する。
  4. 甲長が10cmに満たないような子どもや、秋充分に栄養が取れなかったカメは冬眠を断念し、冬の間はあたためて温度を25℃前後に保ち、夏や初秋と同じように飼う。
  5. 陸上で冬眠させる場合は、15cmくらいの土の上に腐葉土や落ち葉を15cmくらい敷きつめておけばよい。カメは自分で腐葉土の下に入り込み冬眠する。冬眠したから安心してそのまま置くと乾燥させると良くない。水ゴケを端に置いておき、時々霧吹きなどで水をかけ、乾燥を防ぐ。
  6. 水中で冬眠させるには、水を30cmくらい入れて、底に土や落ち葉を10〜15cm入れておく。自然蒸発した水は同じ温度の水を足しておく。
  7. 水中の温度は凍らないのが条件で0〜5度前後に保ちたい。冷暗所の温度差が少なく静かな場所が望ましいので、外側に発泡スチロールで保護しても良い。

水中で冬眠するカメは酸素を皮膚や喉、総排出口の内側の粘膜から水中の酸素を取り込むことができるので窒息する心配はない。
冬眠から目覚め、来春元気な姿を見るのを待とう。

私もカメのように冬眠したいが、恐らく春に目覚めるほど体力がないのが残念だ。

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